SORTIE

jeu 20 mai 1999

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Siberie上空。山々が真っ白く見える。窓ガラスに氷の結晶が。

夕食を終えると、すぐに着陸に入る。
厚いグレーの雲が飛んで流れる。フランスは雨かな。

PARIS C.D.Gaulle 空港に着く。
やっぱり雨。地面に着く瞬間が感じられる。
一人で小さく拍手をしてしまう。
すると、前の方の席からみんなの大きな拍手が。フランス人だ。
前にまとまって乗っているのだが、さすがラテン、ノリのいい人々だ。

席を立って前の方に歩くと、フランス人のいた席はとんでもなく汚い。
読んだ新聞や雑誌は広げたまま床の上、毛布も丸めて床の上、
その新聞と毛布の間にメニューやお菓子のクズやコップが挟まって埋まっている。
・・・すごい。


「42番地だね」
TAXI はホテルの住所を教えただけですぐに了解した。
さすが、プロはこうでなくては。ParisのTAXI の試験は難しいらしい。

運転手が何やら話しかける。
「・・・え、なんですか」
「あぁ、フランス語が話せるんだね」
「すこしだけ」
また、英語攻撃だ。たったの一語も聴き取れない。
最初にこちらが仏語で聞き返したから、その後はちゃんと自分の言葉で話してくれた。
「ヴァカンスかな」
「んー、観光旅行」
的を得ない答えをしてしまった。これは難しい質問だ。
日本にはそもそも、ヴァカンス、という風習はない。
日本人が海外旅行に行くあの休暇は、連続休暇、と言う。
それと、自分は今、仕事をしていない。毎日が休暇だ。
でも、それを運転手に説明するのはしんどいので、
黙って姉の麗子のおしゃべりをずっと聞いていた。

本物の仏人と話をしてしまった。初めてだ。
慣れないので、言おうとしてから実際に言葉が出るまで
無意味に時間がかかる。挨拶の言葉でさえ。まるで言語障害。

道路脇に車が一台、ひどくクラッシュしている。
このTAXI だって、一般道で120km/hも出して・・・

市内に入ったようだが、ずいぶんきゅうくつな感じの街だ。都会的とは言えない。
無色の建物が並んでいて、わびしい感じさえする。
人々は傘もささずに早足で歩いている。
「雨だね」 また運転手が話し始める。
「そうですねえ」
「今日は混んでるな。車が多い」
それにしても、クラクションの連発。人は飛び出す、
車は何の前ぶれもなく車線変更、割り込み。そのたびに、
急ブレーキとクラクション。マナーも何もあったもんじゃない。
「交通事故、多くないですか」
「いや、そうでもないさ。東京はどうなの」
「それほどでも」
「じゃ、ここと同じだ」
「えー」
「ただ、警察が悪い。ちゃんとやらないから・・・」
もう少し続く言葉があったが、よく分からなかった。
東京とは、マナーのレベルがずいぶん違うようだ。
(彼が我々を東京からと認識したのは、おそらく車に荷物を積むときだろう。)

 

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