SORTIE

ven 21 mai 1999

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夕方。BONNE NOUVELLEの駅からホテルへ向かう。

いたるところに犬のフン出現。
ここでは、朝になると清掃車が回るとのこと。
だから地面はゴミ箱なのだ。

母親に抱かれた小さな女の子、すれ違うときに、「Bonjour,Madame ! 」とごあいさつ。
Madame か。悪くない。

ホテルの向かいにアットホームな(さびれた、とも言う)ティーサロンがある。
中のおじさんが、我々の姿を見るやいなや、
「ヤァーー!!」 と、ものすごい奇声を発した。満面の笑み。
何だ、この反応の早さは。


部屋は5階(日本の6階)で、下の中庭には三輪車の子供と母親。
「メリー、お母さんもう知らないからね、ずっとそこにいるのね、置いていくよ、じゃあね」
子供のしかり方はどこでも一緒か。

隣の部屋からは男の大きな声。まるで喧嘩のようだが、電話らしい。
真剣に議論しているだけのことだろうが、ずいぶん長い。

無性に誰かと話がしたい。言葉はあまり通じなくても、
その気になれば 何かは伝わるということが分かってきた。
さっきティーサロンで叫んでいたおじさんでもいい。
日本語はもういい。ここに住む誰かと話したい。

でも部屋で座っていたら、さすがに疲れていることに気づいた。
朝から歩き詰めだったから。夕食もどうでもよくなってきた。
今日はもう外出はやめておく。

日が暮れる。まだ少し明るい。窓を開けて新鮮な空気を吸いながら
シャワーを浴びて、飲みかけのワインを飲む。


テレビをつけてみる。歌番組。
何だ、これは。ナツメロか?
・・・いや、どうもそうではないようだ。
日本なら10〜15年前だ。こういうのは。
七色のステージ、カーテン付き。バックにオーケストラ。
アイドルたちのなまめかしい視線、ラメのむっちりした衣装。お立ち台。
懐かしすぎる。
このハデなバックダンサーといい、単純な歌詞といい、
ここは本当に世界のモードを生み出している都市なのか。
番組のクライマックスは会場が総立ちでダンス。

一部の最先端の人以外はみんな、新しさを取り入れるということをしない。
街が古いものを守り続けているだけでなく、人間が古い。
心の鎖国をしている都市、Paris。

 

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