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mer 26 mai 1999

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AF276、離陸。
ミニチュアの景色にも、もう慣れた。
でも飽きることはない。
あの海岸線はどこの国だろう。
ビニルハウスが並んでいて、
太陽が当たった瞬間、激しくフラッシュする。
今度飛行機に乗るときには世界地図だ。

昼食が出る。
メニューの和訳が間違っている。
スチュワーデスも勘違いしている。
思ったのと全く違うものが出てきた。

もう窓のシャッターを閉めるのか。残念。
雲の切れ間からはるか下に、海面が。
くしゃくしゃにしてアイロンで伸ばしたようだ。
いや、使用済みのポリ袋かな。
ちっちゃな白い船がゴミのように乗っかっている。
ところどころに雲の影が。

映画を見る。
日本語吹き替え版は見たくない。
仏語に英語字幕で見る。
どちらも得意ではないのに
両方あると不思議とよく理解できる。

日が沈む。
まだ昼間のように明るい。
水平線、というか、雲平線の上に
ちょうど太陽が乗っていて、
雲を照らしている。

この飛行機は昼に飛び立ち、東へ向かっている。
まる半日のフライト、だが時間は早送り。
ひとつ夜を越す。

雲のいちばん向こうの端がオレンジに輝く。
ちょうど太陽が翼の裏に入る。
見えないが、もう沈んだのだろうか。
光が淡くなる。

でも見えないのが幸い、
少しだけシャッターを開けても
それほど迷惑にならない。
光が洩れないように
頭から毛布をかぶって窓を覆う。
そしてそのまま、何時間も空を見ていた。

雲の内側で何かが静かに火を噴いている。
不気味な感じさえする。

日没を左の窓に見たのだから、
日の出は逆側の窓でないと
見えないのだろうか。
いや、違う・・・

ときどき雲が切れて氷河が見える。
ここはSIBERIE上空。
太陽は、北へ沈み、北から昇る。

 

・・・白夜だ。

 

しばらく空は真っ白に包まれた。

また紅色の雲が流れる。
日が昇る。

ヨーロッパの夜間のフライトは北の窓側に限る。
覚えておこう。

雲平線の少し上に大気の層、といった感じの
透明な境界線があって、
明るいオレンジに染まっている。

さっきから靴下でイスの上に乗って
窓枠にしがみついている。
電車に乗った子供を思い出す。

一人で機内に光を洩らして迷惑をかけながら、
それでも見ていた。
持ってきた25枚撮り6本は
すべて使ってしまった。

太陽だ。
沈んだのと全く同じ場所、翼の裏側に。
雲がふんわりと輝いた。

 

1999年5月27日(木)、成田空港到着。

 

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